岸田文雄首相は4日、三重・伊勢市の伊勢神宮を参拝し、市内で年頭の記者会見を行った。質疑冒頭で岸田氏は防衛費増額に伴う増税前の解散総選挙について「結果として税が上がる前に選挙があることも日程上、可能性の問題としてあり得る」とするに留めた。

岸田氏は昨年12月27日のテレビ番組で増税が始まる2024~27年を念頭に「スタートの時期は、これから決めるが、それまでには選挙がある」と明言した。だが、与党内には4月の統一地方選も含め、増税が選挙の争点となることに強硬な反対論が根強い。岸田氏も「衆議院の任期満了は令和7年(2025年)10月、それまでに衆議院選挙は、いつでもあり得る」とトーンダウンさせた。

重要政策としてインフレ率を超える賃上げ水準を進め、異次元の少子化対策などを掲げたが、いずれも具体的な根拠や裏付けの説明はなかった。5月に地元広島で開催されるG7サミット(主要7カ国首脳会議)は「議長国、また安保理非常任理事国として主導的な役割を果たしていく」と意欲を示した岸田氏は9日からフランス、イタリア、英国、カナダ、米国の5カ国を駆け足で歴訪、13日にバイデン米大統領と首脳会談を行う予定だ。【大上悟】