東京都の小池百合子知事は4日、都庁で行った職員に向けた新年のあいさつで、少子化対策として、0歳から18歳の子どもがいる都内の子育て家庭に対し、子ども1人当たり月額約5000円の給付を行うことを検討しているとサプライズで明かした。所得制限は設けずに、今後審議される23度予算案に盛り込み同年度からスタートさせる方針。

小池氏は約10分のあいさつで、最も多くの時間を少子化対策に割いた。「0歳から18歳の子どもに対し(1人当たり)月5000円程度を念頭に、育ちを切れ目なくサポートする給付を行うなど、大胆な取り組みを考える。皆さん全員が、わが事としてこの問題と向き合うように強く求めます」と職員に呼びかけた。

また、22年の出生率が初めて80万人を切る見通しと、昨年末に発表された国の速報値に触れ「社会の基盤を揺るがす衝撃的な事態。人口問題は国づくりの根幹で、本来、少子化対策は国家100年の計に位置づけて国策として戦略設計に取り組む課題だが、昨年末に発表された国の来年度予算案では、ただちに少子化から脱却して反転攻勢に出るぞ、という勢いにはなっていない」と述べ、国の現状の対応は不十分との認識を表明。「現状は一刻の猶予も許されない。だからこそ、都が先駆けて具体的な対策を充実させていかなければならない」と述べた。

小池氏は「(2016年に)知事に就任し、真っ先に取り組んだのが待機児童対策。これを機に、子どもや子育て家庭が抱えるさまざまな困難に寄り添った政策を進めてきた。22年度からは子供政策連携室を新設し、チルドレンファーストの社会実現へさらなる取り組みを進めている」と、これまで取り組んだ少子化対策に言及。「この問題を先送りすることは今を生きる私たちの責任を放棄するも同然だ。望む人だれもが子供を産み育てられ、継続的に寄り添って支えていく考えに立ち、(都の)来年度予算は、対策を強力、迅速に推し進める必要がある」とも訴えた。

5000円という額は、教育費をめぐる都と全国平均の月額の差額が念頭にあるという。対象となる都内の0歳~18歳の人口は、約193万人。

都では、新型コロナウイルス禍となった2021年1月以降に子どもが生まれた家庭に、10万円相当の子育て用品などと交換できるギフトカードを配布する「東京都出産応援事業」も行っている。【中山知子】