木原誠二官房副長官は26日の記者会見で、岸田文雄首相の長男で政務担当の総理秘書官を務める岸田翔太郎氏が、先日行われた首相の外遊中に、パリやロンドンで大使館の公用車で観光したなどと、この日発売された「週刊新潮」が報じたことについて「ご指摘の報道については承知している」と述べた。

翔太郎氏の行動そのものの報道については、言及しなかった。

木原氏は「一般論」として、「総理の外国訪問で、総理に同席しない関係者が、公務上の必要上官用車を利用して視察や訪問をすることはございます」と述べた。その上で「業務の内容や重要性、現地の安全情勢、交通状況などに照らしつつ必要とされる範囲内での運用とすべきなのは当然だ」とも話した。

「週刊新潮」は「あの『長男秘書官』が外遊で観光三昧」の見出しで、記事を掲載。翔太郎氏の現地での行動について、政府関係者らの発言を引用しながら、翔太郎氏が「パリ市内の観光地を巡りたい」などの要望をしたとしたほか、ロンドンでも同様の要望をして大使館が用意した車で観光地などを回ったなどと報じている。

翔太郎氏は慶大卒。岸田首相の公設秘書を経て、昨年10月に政務の首相秘書官に就任した。政務秘書官は通常、首相の「懐刀」と呼ばれるベテランが就任することが多く、異例の抜てきとされた。翔太郎氏のほかにも、経産事務次官を務めた嶋田隆氏が政務担当の首相秘書官を務めている。