警視庁は7日、「ルフィ」などと名乗り日本の広域強盗事件を指示した疑いのある日本人容疑者4人のうち、フィリピン当局が同日強制送還した藤田聖也(38)、今村磨人(38)両容疑者を、強盗とは別の特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で逮捕。2容疑者を乗せた飛行機は7日午後2時40分ごろ、成田空港に到着した。

両容疑者はマニラのニノイ・アキノ国際空港から飛行機に乗る際には両容疑者とも白いマスクに黒いTシャツ、短パン姿。捜査員に前後をがっちりガードされ、藤田容疑者はややうつむき気味、今村容疑者はストロボの明滅に少しまぶしそうな表情を見せたが、前を向いて歩いた。

フィリピンを午前9時40分(日本時間同10時40分)発の飛行機で移送され、警視庁が午後0時21分に藤田容疑者、同22分に今村容疑者を機内で窃盗の容疑で逮捕した。警視庁の捜査員が約10人同乗していた。

一般客が降りた後、藤田容疑者、今村容疑者の順に約3メートル離れた距離で、周囲を警視庁の捜査員に固められ、徒歩で空港の地下駐車場まで移動した。中肉中背の藤田容疑者、がっしりとした体形の今村容疑者は側頭部を刈り上げてカリフラワーのようなパーマをかけた髪形でメガネをかけていた。ともに黒色系のTシャツにブルーの短パン、オレンジ色のサンダルをはいていた。両容疑者ともフィリピンでの刑事裁判は全て棄却されていた。

フィリピンのレムリヤ法相は7日、記者会見を開き、日本の警察が強制送還を求めている広域強盗事件に絡んだとされるフィリピンに残る渡辺優樹(38)と小島智信(45)両容疑者について「7日の刑事裁判の審理で棄却されれば、明日(8日)にも送還される可能性がある」と述べた。

4容疑者は広域強盗事件が起きる前から、フィリピンを拠点に日本の仲間と共謀し、日本の高齢者らに電話をかけキャッシュカードを盗むなどした疑いが持たれている。