「感謝と敬意と寂しさを込めて…」。公益財団法人「日本宇宙少年団」理事長などを務める宇宙飛行士、山崎直子さん(52)は20日、そんな言葉とツーショット写真をツイッターに投稿するなどして、松本零士さんを追悼した。言葉に込めた思いを聞くと「子どもの時に松本先生の作品に親しませていただいて、宇宙に行きたいなと思い、興味を持つきっかけをつくってくださった。導いてくださった」などと振り返った。

作品で始まった松本さんとの縁は、その後さらに深まった。次世代を担う子どもを対象に宇宙や科学に関する教育実践活動などを行っている同財団の理事長を、松本さんから21年に引き継いだ。松本さんは86年の設立時から同財団の活動に尽力し、94年から2代目理事長を務めた。山崎さんは「作品からは創造力をかきたてられますが、お人柄もとてもすてきで、少年のピュアな心をずっと持ち続けていらっしゃった。よく、僕も宇宙に行って自分の目で地球を見てみたいなとおっしゃっていました。火星にも行きたいと」などと説明。松本さんを「作品でいうと、宇宙戦艦ヤマトに出てくる沖田艦長みたいな、頼りがいのある存在でした」とも形容した。

同財団は全国に分団があり、現在の団員は約3000人。山崎さんは、松本さんが常々「未来は、少年少女の心の中にある」と話していたことも紹介。「子どもたちにも直接励ましの言葉をくださって、後ろ姿からもいろいろ学ばせていただきました。時を超えて松本先生の想いをつないでいけたらと思っています」と、継承を強調した。