昨年7月の初当選から1度も国会に登院せず、「議場での陳謝」の懲罰処分を下されたNHK党のガーシー(東谷義和氏)参院議員(比例代表)が27日、滞在先の海外から帰国して次回の参院本会議に初登院し、「議場での陳謝」に応じることを表明した。この日午前10時50分すぎ、ガーシー氏の渡辺文久秘書が参院議院運営委員会の石井準一委員長に「本会議へ出席し、院議に従い、陳謝文を朗読致します」とした文書を代読し、手渡した。ガーシー氏は22日の参院本会議で賛成多数による懲罰処分が可決したが、本会議を欠席。そのため、尾辻秀久参院議長から次回の参院本会議の出席を命じられ、この日午前11時を期限に登院可否を明らかにするよう文書通告を受けた。

ガーシー氏が応じない場合は再度、懲罰委員会に付託され、除名処分の検討に入る見込みだったが、帰国して参院本会議で陳謝を行えば、議員の身分を失う除名は回避できる見通しとなった。参院の与野党は次回の参院本会議を3月8日とする検討に入った。NHK党は警備上の懸念などから帰国日時や期間などを一切、公表しない方針を明らかにしている。

懲罰委員を兼務する世耕弘成参院幹事長は、この日の自民党役員会で「粛々と手続きを進めていきたい」と述べた。茂木敏充幹事長も「懲罰処分を重く受け止め、1日も早く帰国して院の決定に従い、陳謝を行った上で国会審議に継続して参画することで国民の負託に応えてもらいたい」とした。だが、一時帰国したガーシー氏が、参院の渡航認可を得ないまま、再び渡航する可能性を懸念する声もある。その場合には再度、懲罰委員会に付託され、除名を含め処分が検討される見込み。懲罰処分を受け入れた後もガーシー氏の動向は不透明だ。【大上悟】