飲食チェーン店「串カツ田中」を運営する串カツ田中ホールディングスは28日、一部店舗でハラスメントや食材の不適切な利用があったとの情報がSNSで流れたことについて、公式サイトで「社内調査を進めた結果、食材管理および衛生管理について、食品衛生法の趣旨に即した提供はなされているものの、社内基準に即した食材管理および提供方法について一部徹底されていないことを確認しました」などと報告した。その上で「食材管理、教育体制の不備によりお客様及び関係者の皆様に対し、多大なるご心配とご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げます」などと謝罪した。

同社をめぐっては、1月に入社して2月に退社したとする人物の告発が拡散。研修後に配属された店舗で「手洗いをすると嫌な顔をされた」「責任者から怒号を浴びせられた」などと記されていた。同社は27日に「現在詳細の事実を確認中であり、公表すべき内容が発生した場合には速やかに公表いたします」と表明していた。

28日には、該当する店舗が北九州市の「串カツ田中アミュプラザ小倉店」と公表。「当社では、食品衛生法より厳格な安全基準を社内に設けて運用しております。具体例としては、食材の使用期限についてより短い期間を設定し、手洗いの頻度をより多く設定するといったものです」と説明した上で「しかし今回、この社内ルールが一部遵守されていませんでした。食品表示法及び食品衛生法、その他関連法令の点につきましても、所管行政庁と連携のもと調査を行い、食品・衛生上の安全を確認しておりますが、ご不快な思いを抱かせてしまい、誠に申し訳ございません。調査・安全確認については対象を全店舗に拡充し、社内ルールの再検討及び、衛生管理に対する再教育を順次実施してまいります」などと報告した。

また「ハラスメントにあたる言動があった旨の主張についても調査した」とし「コンプライアンスの観点から不適切な言動があったことが認められました。社内規程に基づき、厳正な処分をしてまいる所存。加えて、当該被害を受けた方々への対応についても、誠意をもってあたらせていただきます」と認めた。

同社は「今回の件を真摯に受け止め、今後、同様の事案が再び発生しないよう、従業員の社内マニュアルに基づく食材・衛生管理の徹底、正確な情報共有やコンプライアンス遵守など社員教育を継続的に行い、安心安全な運営体制を再構築いたします」としている。該当の店舗については、しばらく休業とし、衛生管理の徹底、再教育をするという。また「本件に関する個人への直接的な危害となるような言動はお控えいただくよう、お願い申し上げます」と加えている。