立憲民主党と日本維新の会は2日、昨年7月の初当選から1度も国会に登院せず、「議場での陳謝」の懲罰処分が下されたNHK党のガーシー(東谷義和氏)参院議員(比例代表)を念頭に、正当な理由がないまま国会に登院せず、懲罰処分を受けた議員に対して給与に当たる歳費を4割カットする「歳費法改正案」を参院に共同提出した。

参院によると、これまで月額の歳費129万4000円(昨年7月は任期6日分の20万361円)、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)が月額100万円(昨年7月は同19万3548円)、昨年12月にはボーナスに相当する期末手当188万5681円がそれぞれガーシー氏に支給された。今年2月までに支給された総額は1833万7590円となっている。

ガーシー氏は滞在先の海外から帰国し、8日の参院本会議に初登院し、登壇して陳謝文を読み上げて謝罪することを表明している。陳謝を拒んだ場合は最も重い処分で議員の身分を失う「除名」が懲罰委員会で検討される方向で陳謝によって、回避できる見通しだ。歳費などの支給日は毎月10日で、議場で陳謝を行った2日後には支給総額が2063万1590円となる。

法案では全額を支給停止も検討されたが、国家公務員が起訴休職中に満額の約6割の給与を受け取れる点も考慮して4割カットとした。また対象となる議員が国会に出席、または欠席に正当な理由があると参院議長が認めた場合には、通常の支給に戻すとしている。

維新の馬場伸幸代表は議場での陳謝を前に法案を提出したことについて「1度も仕事をしないで給料をもらうということは、普通の国民から見て受け入れられるのか。法案提出を通じ、襟を正してやっていくトリガー(引き金)になれば」と意欲を示した。【大上悟】