高市早苗・経済安全保障担当相は8日の参院予算委員会で、放送法の「政治的公平」に関する総務省の行政文書の真贋(しんがん)について「ありもしないことをあったかのように作られた。捏造(ねつぞう)だと私は考えている」と、一歩も引かない調子で語った。

文書の存在を指摘した立憲民主党の小西洋之参院議員と、3日に続いて再び直接対決。高市氏VS小西氏の質疑は、この日も熱を帯びた。小西氏は、総務省が行政文書と認めたことを受け、「捏造」だと発言した責任を取り高市氏に辞職するよう求めたが、高市氏は「(捏造は)少し強い言葉を使ったかもしれないが、事実であれば責任を取りますよ。でも事実じゃないじゃないですか」と気色ばんで反論した。

文書の中に登場する、放送法の解釈について安倍晋三首相(当時)と放送法の解釈に関する話を電話で話したということはないと否定し、同様に登場する礒崎陽輔首相補佐官(同)と総務省とのやりとりについて「そもそも礒崎さんが放送法に興味をお持ちだったとは今月、(小西氏の質問で)初めて知った。私は人から影響を受けて答弁を決めることはしない」などと訴え、文書に書かれた自身に関する記述については、否定を続けた。

「立証責任は高市大臣が負うと言うことでよろしいか」と指摘された高市氏は「立証責任が私にあるのはおかしい。文書が正確なものと(小西氏が)立証してくださいよ」と、あらためて突っぱねた。

一方、答弁に立った総務省幹部は「一般論として捏造が行政文書の中にあるとは考えにくいが、文書の正確性とは別のもの」「(正確性が)十分確保されたものもあるが、確保されていないものもあるかと思います」と、分かりにくい答弁をする場面も。行政文書の正確性をめぐるやりとりで、質疑が止まる場面もあった。【中山知子】