将棋の最年少5冠、藤井聡太王将（竜王・王位・叡王・棋聖＝20）が羽生善治九段（52）の挑戦を受ける第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第6局が11日、佐賀県上峰町「大幸園」で始まり、午後6時過ぎ、先手の羽生が59手目を封じて1日目を終えた。

第5局を終えて藤井の3勝2敗。初防衛、5冠堅持を目指す藤井か、前人未到のタイトル獲得通算100期に挑む羽生がかど番をしのぎ、フルセットに持ち込むか。

今シリーズは先手番が勝ち続ける一進一退の攻防戦が繰り広げられている。第6局は先手の羽生が角換わりの戦型に誘導。第4局で勝利した角換わり腰掛け銀ではなく、今回は早繰り銀を選択した。お互いの研究範囲だったのか、午前中はハイペースで進んだ。昼食休憩を挟み、両者とも1時間以上の長考合戦となり、ペースダウン。深い読み合いが続いたが、終了間際に藤井が一気にギアチェンジ。3筋に桂馬を跳ねる強手を放った。形勢はやや藤井が優位との見方もあるが、勝負の行方は分からない。2日目は12日午前9時に再開する。【松浦隆司】