藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が渡辺明棋王(名人=38)に挑戦する、将棋の第48期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第4局が19日、栃木県日光市「日光きぬ川ホテル三日月」で行われ、後手の藤井が132手で勝利し、シリーズ対戦成績3勝1敗で初の棋王獲得と史上最年少6冠を達成した。

渡辺は棋王11連覇を逃した。

開幕から藤井が連勝し、第3局で渡辺が後手番ブレークで逆襲の1勝を挙げて、迎えた第4局。渡辺は藤井のエース戦法「角換わり」に誘導し、真っ向勝負を挑んだ。午前中から激しい攻め合いになり、67手目には角と銀を交換する角打ちの勝負手を放ったが、形勢が不利に。この一手について渡辺は「その局面になったらやるつもりだった。ちょっと変な形なので成算はなかったが…」と悔やんだ。

深く読み合った終盤戦、粘り強くプレッシャーをかけ続け渡辺が反撃したが、届かなかった。終盤戦について「もう少し何かあったのかもしれない」と無念の表情を浮かべた。今シリーズの1勝3敗について「負けてしまった将棋はチャンスがなかった。もう少しチャンスがある将棋にしなければ結果はついてこない」と振り返った。

4月5日からは藤井を挑戦者に迎える名人戦7番勝負が始まる。「あまり時間をおかずという形になる。今回の棋王戦を振り返りつつ向かっていきたい」と気持ちを切り替えた。