藤井聡太竜王(王位・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が2日、愛知県岡崎市で行われた「第30回岡崎将棋まつり」にゲストとして出席した。ファンら約900人が参加した。

記念すべき30回を迎えたことで、30年前の将棋界と現在の将棋界を比較するテーマでトークが繰り広げられた。室谷由紀女流三段(30)が「将棋を指す女性、観る女性が増えた?」と話すと、トークショーで司会を務めた岡崎市出身の石田和雄九段(76)が「30年前は羽生ブームになる直前だったので、指す人も観る人も少なかった」と振り返った。この日は“藤井効果”で会場には多くの女性が詰め掛けた。

石田は「藤井さん、(30年前と比べ)女性ファンが増えてきたのは実感しますか」とムチャぶりすると、30年前は生まれていない藤井は「自分はあまり、はい(笑い)、昔のことは分からないのですが」とちょっと困りながらも「イベントでは幅広い方に来ていただいていると感じる」と無難に返答した。

30年前を知る師匠の杉本昌隆八段(54)は「30年前は観る方、指す方も少なかった。いまはまったく変わってしまって、私も20代だったらよかった(笑い)」と弟子の30年前をフォローし、笑いを誘った。【松浦隆司】