国民栄誉賞棋士の羽生善治九段(52)が役員(理事)予定者予備選挙に初めて立候補したことが4日、明らかになった。

日本将棋連盟が発表した。同連盟役員の定員は東京5、関西2。今月26日の予備選挙で棋士会員255人が投票し、当選者は6月9日の棋士総会で承認を得る。その後、新理事会による互選で会長が決まる。佐藤康光会長(53)は同日、6月での退任を発表しており、羽生会長誕生の公算が大きい。

看板棋士が、本年度から運営に携わる可能性が大きくなった。「2024年に100周年を迎えるにあたり自分なりに力を尽くす所存です」とコメントした。

同連盟は来年、東京・千駄ケ谷と大阪府高槻市に新たな将棋会館を建設する。羽生は一昨年8月に発足した「創立100周年記念事業・東西将棋会館建設委員会」の委員長を務める。

佐藤現会長も含め、故大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、米長邦雄永世棋聖、谷川浩司十七世名人ら、名人獲得経験者が会長となっている。羽生もうってつけだろう。

この日、退任会見を行った佐藤会長は、「立候補の話は聞いている。将棋の強さもさることながら、将棋界の枠を超え、将棋の良さを広くアピールしている存在感や影響力は大きい」と話した。