昨年の参院選中に銃撃された安倍晋三元首相の死去に伴う衆院山口4区補選は11日、告示された。安倍氏の後継者の立場で出馬した自民党公認で元下関市議の吉田真次氏(38)が下関市内で開いた出陣式に、安倍氏の妻昭恵さんが出席した。

昭恵さんは集まった支援者らに対し、涙ながらに吉田氏への支援を訴えた。

昭恵さんは、出陣式に先だって行われた事務所での神事で、吉田氏にたすきが手渡された時を振り返り、「涙が止まらなくなった」と、ハンカチで涙をぬぐいながら語った。

「主人は長い間、多くの方に支えていただき、国会議員、総理大臣として数々の大きな仕事をさせていただいた。皆さまのおかけです」と述べた上で、「昨年末、吉田さんが補欠選挙に出馬するという勇気ある決断をしていただいた。主人も将来を期待していた。みなさんが悲しみにうちひしがれている中、何とかしたいと決意をしていただき、私は本当に心強く思いました」と話した。

「公認候補となってからは私もいろんなところをいっしょに回った。すばらしい候補だと確信している。主人のあと、しっかりとこの地域や国のために働いていただくために、どうかみなさんの手で圧倒的な勝利で国政の場に送り出し、立派な国会議員としてお育ていただきますようお願い申し上げます」と、「圧倒的な勝利」という部分に力を込めて訴えた。

「私も一生懸命、主人のためにも頑張ります」とも口にした。

長きにわたった「安倍政治」が争点の1つとなる同補選には、無所属の投資家竹本秀之氏(67)、無所属の元新聞社員大野頼子氏(49)、立憲民主党の元参院議員有田芳生氏(71)、政治家女子48党の会社役員渡部亜衣氏(37)も、立候補を届け出た。5人の候補による選挙戦だが、有田、吉田両氏の事実上の一騎打ちとなる。【中山知子】