男女でデザインが同じ「男女共用セパレーツ水着」の発表会が19日、都内で行われた。水泳用品メーカーの「フットマーク」(本社・東京都墨田区、三瓶芳社長)が、他社に先駆けて全国で初めて開発した。上下が分かれており、長袖の上着は露出を減らし、紫外線対策も施している。下はハーフパンツで、体のラインが出にくい形状となっている。男女同じ仕様で、性別を気にせずに水泳の授業に参加できるよう、配慮した。

色は紺のみ。120センチから4Lまで10タイプあり、希望小売価格は6710円から7150円(税込み)。

フットマークには4~5年前からジェンダー水着に対する相談が寄せられ始め、年を追うごとに増えたという。同社では2015年(平27)に地元の中学生とともに水着を開発した際、男子生徒から足首まで隠すタイプを提案された。女性用だけでなく、男性用にも体形や体毛、手術痕などを隠せ、日焼けも避けられるなど、「露出への抵抗感」が課題となっていた。最近になって制服のジェンダーレス化が進み始めたことが追い風になり、共用での開発となった。

上着には、ロック機能式のファスナーと引き手部分にガードが付いているので、不意に開くことはない。パッドも差し込めるが、ポケットの裏地が黒く、一見して分からない。パンツも体に密着しない生地を使っているし、内側にインナーパンツが付いているので、めくれても肌が見えにくい。

これまでの水着は男女別でデザインされ、性別による差の違いがあらわになるようなものが多かった。学校側も「指定されているものを着用する」という認識を当たり前としていた。

昨年度はテスト販売として、東京都と兵庫県の公立中計3校で従来の水着と選択する形で導入した。中には、ある学年の約半数の生徒が「男女共用」を選んだ学校もあったという。本年度は200校以上の学校が導入の検討をしている。

また、同社では来年以降、上下セットから上下バラ売りを可能にしたり、カラーも紺だけから別の色も検討するとしている。