岸田文雄首相の選挙応援演説会場で爆発物が投げ込まれる事件が起きた衆院和歌山1区補欠選挙では、日本維新の会新人で元和歌山市議林佑美氏(41)の当選が確実になった。自民元職の門博文氏(57)らとの接戦を制した。

林氏は支援者から拍手で迎えられ、スタッフから花束を受け取った。林氏は「今日がスタートラインだと思っております。皆さまのご期待に添えるよう誠実に活動を頑張って参りたいと思います」と笑顔を見せた。馬場伸幸代表は「我々維新の会は、まだまだ小さな勢力でありますが、アリも一致団結すればゾウも倒せることができると証明できました」と強調し、勝利を喜んだ。

林氏は維新が掲げる「身を切る改革」の徹底としがらみのないクリーンな政治の実現を主張。人口減少が止まらない和歌山で、3人の子を持つ母として子供や将来世代への徹底投資などを訴えていた。

統一地方選前半戦で奈良知事選を制し、「全国政党化」へ勢いに乗る維新は「党の顔」である維新共同代表の吉村洋文知事が3度も応援に入った。二階俊博元幹事長や世耕弘成参院幹事長のお膝元の和歌山に、岸田文雄首相ら党幹部を投入した自民に対し「『和歌山のことは和歌山で決める』とか言うが、和歌山の自民党の古い政治家は永田町で決めている」と批判した。

馬場氏は「今の日本の政治の方向性を変えて欲しいという手応えは日に日に感じている」とも話していた。自民の受け皿として維新に期待する“風”を感じているだけに、今後の岸田政権の運営にも大きな影響を与えそうだ。