将棋の最年少6冠、藤井聡太叡王(竜王・王位・棋王・王将・棋聖=20)が菅井竜也八段(31)の挑戦を受ける、第8期叡王戦5番勝負第3局が6日、愛知県名古屋市の「か茂免」で行われ、先手の藤井が163手で勝ち、対戦成績を2勝1敗とし、3連覇へあと1勝とした。17年の王位獲得以来、2期目のタイトル獲得を目指す振り飛車党の菅井はかど番に追い込まれた。第4局は28日、岩手県宮古市「浄土ヶ浜パークホテル」で行われる。

藤井が死闘を制した。持ち時間(各4時間)をお互いに使い切り、1手1分未満での指し手が要求される「1分将棋」。人工知能(AI)の評価値は二転三転する大激戦。一時、リードを奪われたが、藤井は最大の武器である終盤力で抜け出した。

終局後、藤井は「難しい将棋だった。中盤の構想の立て方があまりよくなかったのが課題です」と振り返った。

第2局を落とし、1勝1敗で迎えた第3局。菅井は8手目に大駒の飛車を3筋に振る戦型「三間飛車」を採用した。菅井が第1局、第2局に続き「三間飛車」をぶつけてきた。再び、振り飛車党との未知の領域での戦いとなった。振り飛車党との対戦経験が少ないためか、対応に持ち時間を削られる苦しい戦いだった。 叡王戦と同時進行するかたちで渡辺明名人に挑戦すする名人戦7番勝負では開幕2連勝。叡王3連覇に王手をかけ、史上最年少の20歳での名人獲得を目指す。

<主催>不二家、日本将棋連盟

<特別協賛>ひふみ

<協賛>中部電力、豊田自動織機、豊田通商、日本AMD

 

◆叡王(えいおう)戦 将棋の8大タイトル戦の1つ。タイトル序列は竜王、名人、王位に次いで4番目(以下王座、棋王、王将、棋聖)。2015年(平27)に一般棋戦として第1期を開催。第3期以降、王座戦以来34年ぶりにタイトル戦に昇格した。歴代獲得者は高見泰地、永瀬拓矢、豊島将之、藤井聡太と毎回交代したが、昨年5月に藤井が初防衛を果たした。段位別予選(四・五段各1、六・七段各2、八・九段各3)の突破者と、シードの計16人による勝ち抜き戦で挑戦者を決める。主催の不二家が「糖分補給」のアシストを兼ね、午前10時と午後3時におやつを両対局者に提供する。

【第8期叡王戦5番勝負第4局以降の日程】

▼第4局 5月28日、岩手県宮古市「浄土ケ浜パークホテル」

▼第5局 6月17日、千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」