藤井聡太叡王(竜王・王位・棋王・王将・棋聖=20)が菅井竜也八段(31)の挑戦を受ける、将棋の第8期叡王戦5番勝負第3局が23日、名古屋市の「か茂免」で行われた。午前9時から始まった対局は、後手の菅井が三間飛車を第1、第2局に続いて採用。穴熊に囲って駒をうまくさばいたが、効率の良い攻めで終盤藤井が抜け出した。これで対戦成績を2勝1敗として3連覇まであと1勝とした。藤井が一気に決めるか、菅井が最終局に望みをつなげるか。第4局は28日、岩手県宮古市「浄土ケ浜パークホテル」で開催される。

敗れた菅井は投了前、腕組みしてじっと盤を見つめていた。120手目、1手60秒未満で指しなければならない「1分将棋」になった後、形勢を損ねた。くちびるをギュッとかんだり、左手で髪の毛をかき上げてハーッと大きく息をはいた。中盤、藤井の穴熊陣に襲いかかった。さばいて獲得した角を2八の地点に打って、成り込むなど、リードを奪ったかに見えた。「難しい中盤戦だったと思います。1分将棋に入って、悪い手が続いたと思います。具体的にどこでとかは難しいですが。成算がなかったので、千日手を目指すべきだった」と振り返った。

これで藤井のタイトル戦14連勝を止めるために、あとがなくなった。「悪い手を修正して次、頑張りたいと思います」と気を取り直していた。

<主催>不二家、日本将棋連盟

<特別協賛>ひふみ

<協賛>中部電力、豊田自動織機、豊田通商、日本AMD