米誌タイムは10日までに、岸田文雄首相を表紙に掲載した次号5月22・29日号(12日発売)の一部を電子版で公開した。掲載した表紙の画像は岸田氏の写真を全面にレイアウトし、「日本の選択」の見出しで、「岸田首相は、長年の平和主義を捨て、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」としている。

岸田氏は4月28日に首相公邸で同誌のインタビューに応じていた。特集記事では、岸田氏が防衛費の増額などで「世界3位の経済大国に見合った軍事的影響力を持つ国にしようとしている」などと指摘した。その一方で、広島の親族や人々の被ばく体験を聞いた経験にも触れ、岸田氏の「言葉では言い表せない惨状は、私の記憶に鮮明に刻まれた」「これが、核兵器のない世界を追求する私の大きな原動力」などの言葉も紹介。その上で記事は「日本の防衛力強化が、核のない世界を目指して努力するという岸田氏の長年の公約と矛盾すると考える人もいる」とも書いている。

また、岸田氏はG7広島サミット(19~21日)で、ロシア、中国、北朝鮮などに立ち向かうため民主主義国の団結を訴えるなどと指摘。岸田氏が「自分の唯一の目標は広島のような悲劇が再び起こるのを防ぐこと」「今日のウクライナは明日の東アジアになる可能性がある」などとも話したとしている。記事は、岸田氏のこれまでの歩みや政策、現在の日本の問題点なども詳しく紹介している。