日本将棋連盟は19日、都内の本部で会見し、新たな公式戦「達人戦立川立飛杯」の創設を発表した。参加資格は満50歳以上(23年4月1日時点)の現役棋士全員で、第1回は54人が出場する。実施は今年6月~11月。本戦は11月24日、25日に東京・立川市のステージガーデン立川で公開対局で実施される。

永世称号の呼称者、資格者である谷川浩司九段、羽生善治九段、佐藤康光九段、森内俊之九段の4人は本戦シードで、他50人は予選からのスタート。予選通過4人とシード4人の計8人で本戦トーナメントが行われる。決勝は1番勝負。

持ち時間は予選がチェスクロック計測の1時間(切れたら秒読み1分)、本戦はチェスクロック計測の30分(切れたら秒読み30秒)。

佐藤康光会長は「50歳は円熟期。ベテランは強烈な個性で若い時から道を切り開いてきた。オールドファンには名場面名シーンを、新しいファンには匠の技、職人芸を伝えられる棋戦にしたい。私自身も同世代で久しぶりになる棋士との対戦を楽しみにしながら、一生懸命頑張っていきたい」と期待を述べた。

特別協賛する立飛ホールディングスの村山正道社長は「我々は休み時間に将棋をしていた世代。立川市の活性化に寄与できるのは非常にありがたく、わくわくしている」と喜びを語った。

現行の連盟主催棋戦は8つのタイトル戦(竜王戦、名人戦、王位戦、叡王戦、王座戦、棋王戦、王将戦、棋聖戦)と、9つの棋戦(朝日杯オープン戦、銀河戦、NHK杯、日本シリーズ、新人王戦、YAMADAチャレンジ杯、加古川青流戦、ABEMAトーナメント、SUNTORYオールスター東西対抗戦)がある。

なお、1993年から2014年まで開催された(富士通杯)達人戦は非公式戦で、第2回までが50歳以上、第3回以降は40歳以上で8~12人の出場者で行われた。

◆立飛(たちひ)ホールディングス 東京・立川市に本社を置く。社名は前身の立川飛行機(航空機メーカー。赤とんぼと呼ばれた九五式一型練習機の生産で知られた)の略称から。不動産業、建設業が主な事業で、プロスポーツや芸術・文化活動の支援にも取り組んでいる。