岸田文雄首相の長男、岸田翔太郎秘書官(32)の資質問題が再炎上した。25日発売の「週刊文春」が、「岸田一族『首相公邸』大ハシャギ写真」のタイトルで、昨年末に首相と翔太郎氏が住む首相公邸に親族が集まり「忘年会」を行った際の様子を写真付きで報道。昨夏の内閣改造時に閣僚の集合写真が撮影された赤じゅうたん敷きの階段で、約10人の親族と写真撮影する翔太郎氏の姿や、会見用の演台で男女がピースサインなどのポーズを取ったり、赤じゅうたんに寝そべる男性の写真も掲載された。

翔太郎氏は今年1月の首相の欧米歴訪に同行時、公用車で観光やお土産購入に回ったと報じられ、首相が国会で追及された。秘書官の業務以前の問題ばかり表面化している。

首相は25日夕、翔太郎氏の行動について報道陣に問われ「適切さを欠く。誠に遺憾」と語ったが、秘書官を更迭する考えはないと述べた。松野博一官房長官は会見で、首相が翔太郎氏を「厳しく注意した」と述べたが、注意では甘いなどの指摘にも「一層の緊張感をもって職務に当たっていただきたい」と繰り返すだけだった。「そもそも身内の集まりの写真がなぜ流出するのか」との声もある。

翔太郎氏は首相の公設秘書を経て昨年10月、通常はベテランが就任する政務担当の秘書官の1人に抜てき。首相は後継者と目される翔太郎氏を溺愛し、「精神的支柱」として信頼しているといわれる。翔太郎氏や、LGBTなど性的少数者への差別発言で更迭された前秘書官の問題で、秘書官は岸田首相にとって「鬼門」。秘書官問題で下落した支持率も回復し、G7広島サミットの成功をアピールしていた矢先に、息子の資質問題が再燃した。

松野氏は、当時首相が会食の場に顔を出しあいさつしたと明かしている。公邸での親族の忘年会を“黙認”した公私混同ぶりへの批判も出ており、首相の危機管理力も問われそうだ。