1922年(大11)創刊で「日本最古の総合週刊誌」とされる週刊朝日が、30日から順次発売される6月9日号を最後に休刊となる。創刊から101年の歴史に、事実上のピリオドを打つことになる。

最後の号の表紙は、編集部の様子が見開き3ページにわたって写し出されている。写真集「浅田家」など、演出写真の第一人者、浅田政志さんが撮影。部員らが提案した「編集部あるある」の実態をリアルに演技する姿が、コミカルに表現されている。

巻頭グラビアでは、名物企画の1つ、写真家の篠山紀信氏が撮影した「女子大生表紙」のバックナンバーが多数掲載。80年当時、熊本大学に在籍していた宮崎美子の笑顔から始まっている。宮崎はインタビューで、当時のことを「週刊朝日なら脱がされないと思った」と語っている。

週刊朝日とゆかりのあった人たちもメッセージを寄せている。女優の吉永小百合は「似顔絵塾に強い印象が残っている」と語り、その似顔絵塾を山藤章二氏から受け継いだ松尾貴史は「山藤先生の名前を汚さぬよう、そればかり考えていた」と振り返る。この似顔絵塾は、7月から月1回の連載としてサンデー毎日(毎日新聞出版)に引き継がれる予定で、引き続き松尾貴史が塾長を務めるという。

09年から連載を持ち、ありのままの生い立ちをさらけだしている東山紀之は「その後の自分の生き方も変わった気がします」と、その影響力について語っている。かつて本誌で「週刊村上朝日堂」の連載を持っていた、作家の村上春樹氏も今回、インタビューで登場している。

28年間続いた作家の林真理子氏による対談「マリコのゲストコレクション」は、最後のゲストとして阿川佐和子氏を招いている。週刊文春で対談のホストを務める阿川氏との「掛け合い」は、ラストにふさわしいスペシャル感たっぷりの対談となっている。

最後の編集長後記には「メディアには時代に与えられた役割があります。週刊朝日はいま、それを終えて表舞台から去り、一つの『記録』となります」と渡部編集長がつづり、最後の幕を下ろした。