藤井聡太竜王（王位・叡王・棋王・王将・棋聖＝20）が渡辺明名人（39）に挑戦する将棋の第81期名人戦7番勝負第5局が1日、長野県高山村「緑霞山宿　藤井荘」で行われた。

5月31日午前9時からの2日制で始まった対局は、後手の藤井が勝って対戦成績4勝1敗で初の名人を獲得するとともに、7冠となった。20歳10カ月での獲得は、1983年（昭58）に谷川浩司現九段（61）が達成した21歳2カ月の最年少記録を40年ぶりに更新した。7冠達成も羽生善治現九段（52）が96年2月に達成した25歳4カ月を上回った。

　　◇　　◇　　◇

★藤井新名人・過去の語録

▼「望外の結果です」（17年4月、デビュー新記録の11連勝達成時）

▼「僥倖（ぎょうこう）としか言いようがない」（17年6月、20連勝達成時）

▼「節目（せつもく）の数字になりました」（17年11月、公式戦50勝到達時。「ふしめ」ではなく）

▼「せっかく神様がいるのなら一局、お手合わせをお願いしたい」（19年12月、イベントで「将棋の神様がいたら何をお願いするか」と問われ）

▼「盤上の物語は不変。その価値を自分自身で伝えられたら」（20年7月、初タイトルの棋聖を獲得して）

▼「森林限界」（22年2月、史上最年少で5冠を達成した一夜明けの会見。「将棋はとても奥が深いゲームで、どこが頂上なのか全く見えません。まだ頂上が見えない意味では森林限界の手前です」、現在の到達点は富士山なら何合目かと問われ）