日本維新の会の鈴木宗男参院議員は6日、芸能人や著名人らに対する暴力行為法違反(常習的脅迫)などの疑いで逮捕された前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者について「少なくとも半年、国会議員をやった人ならば法に基づく、態度を示して欲しかった」と、急転直下の帰国、逮捕劇を批判した。

ガーシー容疑者は外務省から旅券(パスポート)返納命令を受け、失効したまま、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ滞在を続けた。UAE当局から一転して強制退去に近い形で帰国となったことについて、鈴木氏は「外務省もかなり動いたと聞いている」と明らかにした。

鈴木氏は参院懲罰委員長としてガーシー容疑者に対する2度の懲罰委員会を開催した。2月に「議場での陳謝」が採択され、ガーシー容疑者も一時は帰国して応じる姿勢を示したが、ドタキャンしたため、懲罰委員会に再付託。3月の本会議で出席議員の3分の2以上の賛成により、最も重い懲罰の「除名」となり国会議員の身分を失うまでの審議に携わった。

鈴木氏は「参院選で(ガーシー容疑者に)28万人以上が投票したことを重くみて、最初から除名じゃなくて、まずは陳謝でチャンスを与えようと配慮した」と説明した。「だが、本人は国会に来ると言って土壇場でキャンセルした。私もガーシーからネット上で罵詈(ばり)雑言を浴びせられ、私自身も批判されるぐらい時間をかけて慎重に審議した」と振り返った。そして「ガーシーは帰国することに対して、何を恐れたんだ。こういう人を選んだ国民にも責任がある」と語った。