立憲民主党の小沢一郎衆院議員に近い牧義夫、野間健両衆院議員は21日、国会内で会見し、小沢氏に近い衆参国会議員による政策勉強会「一清(いっせい)会」を立ち上げたことを発表した。「(立憲民主党では)これまであまり、かちっとした形になっていなかったが、1つの形にしようということになった」と述べた。旧民主党以降、小沢氏を支持するグループは活動を続けてきたが、立民の中であらためて「再始動」させる形となった。

先日岸田文雄首相が通常国会での衆院解散を見送り、その通常国会もこの日閉会したタイミングでの立ち上げの意図を問われた牧氏は「地元を歩いていると『小沢さんは元気か』と声をかけられるが、ますます元気で、3度目の政権交代を果たすまでは死んでも死にきれないという思いがある。小沢さんはどうしたと言われないよう、きちんとした形にしないといけないと思っている」と述べた。「立憲にはこうした厚みのある経験豊かな人がいるということを世間に知らしめることも大切だ」とも述べた。

名前の由来は、小沢氏の座右の銘「百術は一誠に如かず」の「一誠」が由来で「清いものでなければならない」との意味を込めたという。かつて、小沢氏のもとで行われた若手らが集った勉強会に「一新会」があったが、一新会自体はすでに消滅しており、現在も小沢氏を慕うメンバーで「あらためて形にする」という。固定メンバーは衆参合わせて14~15人で、今後他の議員にも声をかけていくという。

グループとして「過去の民主党の政権運営の失敗や反省を踏まえ、政権交代を果たそうというのがいちばん大きな目標。その柱になる政策を立て、今の自公政権とここが違うというしっかりした政策の柱を示すのがいちばんの目的。他の野党との連携や協力も併せて模索していかないといけない」と話した。小沢氏はこの日の会見には出席しなかった。

立民内では現在の泉執行部への危機感や不満も出ている。そうした中での小沢グループ「本格再始動」。牧氏は「そういうこと(執行部批判など)ではない。わが党の顔ぶれをもっと広い国の方に認識してほしい」と述べたが、今も党内に一定の影響力を持つ重鎮の新たな動き。小沢氏自身の「再始動」への布石にもとれるだけに、党内に波紋を広げそうだ。