将棋の最年少7冠、藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将=20)に佐々木大地七段(28)が挑む第94期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第2局が23日、兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で行われ、先手の佐々木が勝ち、対戦成績を1勝1敗のタイにした。棋聖4連覇を狙う藤井は棋聖戦でタイに追いつかれたのは初めて。第3局は7月3日、静岡県沼津市「沼津御用邸東附属邸第1学問所」で行われる。

戦型は相掛かりでスタート。研究範囲だったのか、佐々木は序盤にほとんど時間を使わない。深い研究を思わせる指し回しを見せた。

藤井は佐々木が得意とする「相掛かり」を受けて立ち、長考を入れ、慎重に駒組みを進めた。お互いが水面下で激しく読み合う力戦となり、形勢は互角のまま終盤へ。最終盤、藤井は相手の猛攻を必死に受け、逆転を狙ったが、届かなかった。

過去15度出場したタイトル戦でいまだ負けはなく、残すタイトルは王座のみ。21日の王座戦挑戦者決定トーナメント2回戦では土壇場に逆転勝利し、挑戦権獲得まであと2勝に迫った。

佐々木は7月開幕の王位戦7番勝負への挑戦も決めており、棋聖戦と合わせた佐々木との最大「12番勝負」が8冠制覇のカギを握る。

新たなタイトルを獲得するだけではなく、保持するタイトルの防衛戦にもすべて勝たなければいけない。大記録への激闘は続く。【松浦隆司】

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