24年パリオリンピック(五輪)開幕まで26日で1年となる。東京五輪では新型コロナ禍による感染対策で、異例の1年の延期と無観客での開催となった。

歴史ある「花の都」パリでの大会では、トップアスリートの活躍をひと目見ようと、世界中から多くの人が集まることが予想される。日本オリンピック委員会(JOC)などと契約を結ぶ国内の旅行会社は、観戦チケット付きのツアーの抽選販売を26日から開始する。パリ五輪のチケットやホテルの料金事情はどうなっているのだろうか。

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パリ五輪の単体の観戦チケットは最安値で24ユーロ(約3700円)となっている。大会唯一の公式ホスピタリティプロバイダー「オン・ロケーション」は、宿泊施設やパリ市内の観光などが観戦チケットとセットになった旅行パッケージ(航空券は別料金)を販売している。

オン・ロケーション公式サイトで競技やチェックイン日、宿泊日数(2~6泊)、ホテルのランクなどを入力すると、あらかじめ組まれているプランの内容を確認できる。約500ユーロ(約7万8000円)~約3万6200ユーロ(約565万円)と幅広い金額の商品が並ぶ。高額なものの中には、サッカー男子決勝、バレーボール男子準決勝、バスケットボール女子3位決定戦など、5つの競技と閉会式のチケットに、五つ星ホテルに6泊できるプランが付いたパッケージが約3万4000ユーロ(約536万円)で売られている。

JOCやオン・ロケーションと契約を結ぶ国内の旅行会社は、パリ五輪に関するツアーの抽選販売を26日から始めるという。担当者によると、商品は開会式と5種目が観戦できるチケットがセットになった6泊9日(航空券含む)のプラン。担当者は「ビジネスクラスの方に向けて検討しています。値段は数百万になると思う」と明かした。

一年後のパリ近郊の宿泊料金は高騰化が見込まれる。別の国内旅行会社は「通常、夏休みなどのピーク時は3カ月程前から価格が上がりだし、2倍程の値段になります」と説明。続けて「五輪の場合は高騰するタイミングが早くなり、値段も上がる可能性があります」と指摘した。長期で滞在する場合は異なるホテルに宿泊する「分泊」を勧めるという。他の旅行会社の担当者は「オリンピックは開催されるまでの間、世界中から需要が高まる。既に高騰の動きも出始めています」と口にした。また、ロシアによるウクライナ侵攻で旅客機の減便に影響し、航空券の値段は高止まりの状態が続いているという。

パリ五輪を現地観戦し、2週間ほど滞在予定だという長野市の70代男性は「東京五輪のチケットなどの払い戻しもあって、パリに向けて蓄えている。予算は航空券も合わせて150万円位になりそうかな。毎日節約して、キュウリとみそを食べてますよ」と楽しそうに話した。【沢田直人】

 

◆来年のパリのホテル事情 航空・旅行アナリスト鳥海高太朗氏(45)に来年のパリのホテル事情について聞いた。鳥海氏はパリ五輪で、ビーチバレーや競泳を観戦する予定だといい「観戦チケットの手配はもちろん大変ですけど、ホテルも同じくらい大変だと思います」と語った。鳥海氏は、東京五輪の際に組織委員会が、会場近くのホテルを仮押さえし、予約できるホテルが不足したことに言及。「民間のホテルが高くなった。パリでも同じようなことが起こるんじゃないかな」と推測した。

鳥海氏はホテルの予約方法について「予約した時点でキャンセル料100%という強気な宿も恐らくある。取れる所は、払い戻しができる状態でとりあえず抑えて、作戦を練ることが重要」と強調した。その上で「1泊2万円程の中級クラスのホテルでも、最低6万円ぐらいになると覚悟しています。パリ市内に泊まれなかったら、電車で1時間半ほどの範囲で探す。ベルギーのブリュッセルくらいまで考える可能性がありますね」と話した。