トラブルが相次ぐマイナンバーカードを巡って26日、参院特別委員会の閉会中審査が行われ、河野太郎デジタル相ら関係閣僚が野党から追及を受けた。河野氏は岸田文雄首相が設置した「マイナンバー情報総点検本部」の本部長に就任し、8月上旬に中間報告を発表することを指示された。一方で11日から22日まで海外を歴訪し、19日にデジタル庁は個人情報委員会による異例の立ち入り検査を受けた際も不在だった。

立憲民主党の杉尾秀哉氏から「人ごとなんですよ。自分の責任まったく言わないんですよ。陣頭指揮を執るべき大臣が2週間も肝心な時期に外遊をしている」などと指摘を受けた。これに対して河野氏は「氏名、生年月日、住所、性別この情報が合致しているものをひも付けしていれば、ひも付け誤りは起きない」などの基本的な説明を繰り返した。委員長から「簡潔にまとめて下さい」と注意され、杉尾氏からは「聞きもしないことをべらべらしゃべっているんですか。自分の責任、聞いているんですよ」と切り返された。

また河野氏は外遊不在が総点検に影響した懸念について「7月21日までは調査票の回答を待っている期間。21日に厚労省分の回答が戻って来ているので、これから所管省庁とデジタル庁で分析し、整理している」などと強調したが、杉尾氏から「時間つぶさないで下さいよ。(質疑の持ち時間が)30分しかないんですよ」と逆ギレ? された。

マイナンバーカードの誤登録による別人への公金振り込みが明らかになるなど問題は広がり、岸田政権の支持率低迷にも影響している。政府は現行の保険証を来年秋で廃止し、マイナ保険証に一本化する方針だが、世耕弘成参院幹事長や萩生田光一政調会長ら自民党重鎮から期限に対して柔軟な意見が出ている。杉尾氏の「少なくとも延期して、併用すべき。そうでなければ政権は持ちません」との指摘に河野氏は「現在、多くの方が抱いている不安の大半は保険診療が受けられるのか、というところ。そこの不安がないということをしっかりと周知をしてまいりたい」と強調したが、杉尾氏は質疑の最後に「まったく答えていません」と批判した。