推理小説「人間の証明」やノンフィクション「悪魔の飽食」などで知られるベストセラー作家で、24日に90歳で死去した森村誠一さんの追悼展が28日、埼玉県所沢市の「角川武蔵野ミュージアム」で始まった。4階「エディットタウン」の一角に設置され、「人間の証明」「野性の証明」「青春の証明」の初版本のほか、悪魔の飽食シリーズ、90歳で認知症の森村さんが実践している人生読本「老いの正体 認知症と友だち」まで、約100冊が展示されている。

3年前の11月、このミュージアムの開館に合わせ、森村さんは著書など1000冊ほどを寄贈したという。4階「本棚劇場」の1区画に長らく森村作品が展示されていた。

「本棚劇場」では、定期的にプロジェクションマッピンクを投影している。記念すべき第1弾は、映画化された「人間の証明」と「野性の証明」の一部シーンだった。関係者によると、森村さんは開館前に訪れて実際にプロジェクションマッピングを見て喜んでいたという。

追悼展は8月31日までの予定。【赤塚辰浩】