ドナルド・トランプ前米大統領が、女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会の決勝トーナメント1回戦でスウェーデンにPK戦の末に敗れた米国代表を激しく非難した。前人未到の大会3連覇を目指した米国は、6日に行われた対スウェーデン戦に敗れ、歴代ワーストとなるまさかのベスト16での敗退となり、世界に大きな衝撃を与えた。

自身のSNSトゥルース・ソーシャルでトランプ氏は、「衝撃的で全く予想外の敗北は、ひねくれたジョー・バイデン(大統領)の下で、かつて偉大だった我が国に起きていることを完全に象徴している」と投稿。「多くの代表選手が、アメリカに対して公然と敵対的だった。そのような態度を取った国は他にはないし、それに近い国もなかった」と主張し、社会的不公正や人種差別、性差別などに対して過剰に意識が高いことは失敗に等しいと批判した。

人種差別やLGBTQ差別、男女間の賃金格差問題などに対し、積極的に声を上げてきたスターFWミーガン・ラピノーら一部選手が国歌斉唱を拒否して無言の抗議を行ったことが、一部の国民から「愛国的ではない」と非難されていた。

過去2大会での優勝をけん引し、今大会を最後に引退するラピノーは、前フランス大会ではメディアの取材で「優勝してもホワイトハウスには行かない」と早々に表明し、当時大統領だったトランプ氏から「まずは優勝すべきだ」と応戦される一幕もあった。

トランプ氏はそんな因縁のあるラピノーがPKを失敗したことに、「ナイスショット、ミーガン。アメリカは地獄に落ちるだろう!!!」とつづって皮肉った。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)