自民党を離党し、次期衆院選で日本維新の会から東京6区(世田谷区の一部)に出馬することになり、注目を集めている河村建一氏(47)が10日、東京・三軒茶屋駅前で街頭演説し、維新からの国政挑戦を決めた経緯などを訴えた。

河村氏は「自民党が日本を経済大国に押し上げたことは間違いない」とした上で「今のままの政策の上に、どんなに政策をつぎはぎしても、今日本が置かれている状況に対応するのは難しい」と指摘。「悪い意味でのしがらみや古い政治慣習の中では、どうしても思い切った政策を打つことができない。それなら自民党でできないことを日本維新の会でやりたいと思い、自民党を飛び出した」と述べた。

河村氏は、自民党が県内すべての小選挙区に議員を持つ「王国」山口県の萩市出身で、旧衆院山口3区で10回当選を重ねた河村建夫元官房長官の長男。2021年衆院選比例北関東ブロック、昨年の参院選比例代表に出馬し、落選。先月18日に自民党に離党届を提出、受理されたが、山口県連は除名処分とした。維新は7月19日、河村氏の東京6区での擁立を決定した。

自民と維新の関係をめぐっては、馬場伸幸代表が先月のインターネット番組で「第1自民党と第2自民党でいい」と発言、物議を醸した。河村氏は「自民党は企業に例えれば大企業だが、維新は新興ベンチャー。自民党と2大保守政党として競い合いながら、現在の維新を成し遂げたい。日本を根底からひっくり返すのではなく、イノベーションを起こしながら日本を前に進めることが使命」と訴えた。

維新の「身を切る改革」の必要性にも言及。国会議員に毎月100万円支給され、領収書がいらない「調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)」について、1円から領収書を添付し情報公開をすべきとあらためて訴え「国会議員の政治活動が国民の信頼に足るかどうか、しっかり示すのが筋。少なくとも国民の皆さんのチェックを受け、政治活動に使われているかをしっかり示さないといけない」と強調した。

河村氏は取材に「立民と自民(の戦いが)ある意味、岩盤的だった選挙区に維新が割り込んでいくことで、関心を持っていただきたい」と話した。東京6区には、自民党の越智隆雄氏、立憲民主党の落合貴之氏も立候補を予定している。【中山知子】