政府は2024年春の褒章受章者を28日付で発表した。

受章者は651人(うち女性181人)と14団体で、29日に発令される。学問や芸術分野で功績を残した人に贈る紫綬褒章には、映画「愛を乞うひと」で主演を務めた俳優の原田美枝子(本名・石橋美枝子)さん(65)、NHK大河ドラマ「光る君へ」に出演の段田安則さん(67)らが選ばれた。

紫綬褒章は計19人(うち女性3人)で、人形浄瑠璃文楽太夫の竹本千歳太夫(本名・清水賢治)さん(64)や、日本舞踊家の花柳寿楽(本名・青山典裕)さん(57)らが受章。「ギリシア哲学史」の著者で東京大教授の納富信留さん(59)、薬学研究で優れた業績を上げた理化学研究所環境資源科学研究センター副センター長の袖岡幹子さん(65)らにも贈られる。

その道一筋に励んだ人を対象とする黄綬褒章は、出産後に現役復帰し、国内女性初の通算千勝を達成した名古屋競馬の騎手宮下瞳(本名・小山瞳)さん(46)ら182人(うち女性16人)。アスパラガスの産地育成に携わった山形県最上町の斉藤菊雄さん(77)も選ばれた。

危険を顧みず人命救助に尽くした人をたたえる紅綬褒章は2人。住宅火災で逃げ遅れた女性を助けた千葉県松戸市の横田希嘉さん(24)、池に転落した車から女性を救助した高松市の田中義幸さん(37)に決まった。横田さんは今回の最年少受章者となった。

社会奉仕活動をたたえる緑綬褒章は7人(うち女性6人)と14団体。地域で食育や健康づくりを進めた島根県隠岐の島町の松田照美さん(81)や、障害者施設で理容サービスを提供してきた大分県日出町の下郡勝子さん(80)、社会教育センターなどで奉仕活動を続けた愛知県豊山町の「読みきかせグループゆめっ子」などが受章する。

公共の利益に貢献した人に贈る藍綬褒章は441人(うち女性156人)。北海道北見市の保護司井原恵美子さん(75)、石川県中能登町消防団副団長の堀内博さん(68)らが選ばれた。(共同)