松野博一官房長官は19日午後の記者会見で、岸田文雄首相に対し、SNS上で「増税メガネ」という呼称が広がっていることへの受け止めを問われた。

松野氏は政府としての受け止めや、反論などについての見解を問われたが「SNSなどにおける個々の表現について、政府としてコメントすることは差し控えます」と述べ、言及しなかった。

「増税メガネ」は、防衛費増額に伴う増税方針を示したり、退職金や通勤手当などに課税する「サラリーマン増税」に踏み切るのではないかとの臆測が流れて否定したものの、「増税をしそう」というイメージが首相に定着してしまったことからSNS上で呼ばれ始めた首相の呼称。SNSで指摘され始めた8月下旬には「すぐに誰かがわかる」「秀逸すぎる」などの「高い評価」を受けている。

ただ岸田首相自身はこの呼ばれ方をかなり気にしているとされる。最近、岸田政権で飛び交う「減税論」も、こうした空気が背景になるとの見方もある。

一方、首相が14日に参院徳島・高知選挙区補選の応援のため現地で街頭演説した際、演説中に「増税メガネ」のヤジが飛んだが、飛ばした聴衆は会場から退去させられる事態が起きるなど、波紋が広がっている。