岸田文雄首相は23日、衆参両院本会議で所信表明演説を行った。「不撓(ふとう)不屈の覚悟」「粉骨砕身、取り組む覚悟」など、大相撲の力士やアスリートが口にした四字熟語を用いながら、「国民が直面する課題」に取り組む覚悟を強調した。

首相はまず「不撓不屈」に言及。「物価高をはじめ国民が直面する課題に、『先送りせず、必ず答えを出す』との不撓不屈の覚悟をもって取り組んでいきます」と述べた。与党からは「おー」と拍手が起きたが、野党席からは「結果(答え)なんか出てねーだろ!」と厳しいヤジが飛んだ。

「不撓不屈」は1993年(平5)に、貴ノ花(しこ名は当時)が大関に昇進する際に「今後も不撓不屈の精神で、相撲道に精進致します」と述べ、話題になった四字熟語。9月には、若ノ花(3代目若乃花)が、大関昇進時の口上で述べた「一意専心(いちいせんしん=ひとつのことにひたすら集中すること)」を引用し、「先送りできない問題について新体制のもと、一意専心に取り組んでいく」と述べたこともある。

首相はまた、所信表明の結びの部分で「岸田政権は、歴史的な転換点の中で、変化の流れをつかみ、変化を力にしてまいります。私自身、その先頭に立って、職を賭して粉骨砕身取り組む覚悟です」と訴えた。「粉骨砕身」は、「力の限り努力をする」の意味で、著名アスリートらもよく口にする言葉として知られる。

9月の内閣改造翌日の取材に「明日は今日よりも良くなると誰もが感じられるような国を目指し…」と訴えて、SNS上で批判の声が相次いだ「明日は今日より良くなる」のフレーズに、再び言及する場面もあった。【中山知子】