岸田文雄首相は23日、衆参両院本会議で所信表明演説を行った。「増税メガネ」など増税イメージを持たれていることを払拭(ふっしょく)しようと躍起の首相は、演説の中で「何より経済に重点をおいていく」とした上で「経済!経済!経済!」と、だんだん声を張り上げながら異例の連呼を行い、経済政策に臨む決意の度合いを強調した。
首相は「日本国内閣総理大臣として、私の頭に今あるもの。それは『変化の流れを絶対に逃さない、つかみ取る』の1点です」と主張。「最初につかまなければならない変化の流れは、『経済』です。30年来続いてきたコストカット経済からの変化が起こりつつあります」とも訴え「持続的で構造的な賃上げの実現」「官民連携による投資の積極化」を挙げながら「『経済、経済、経済』。私は、何よりも経済に重点を置いていきます」と訴えた。
最初に言及したテーマも経済で、「供給力の強化」と「国民への還元」を「2つの車の両輪として総合経済対策をとりまとめ、実行してまいります」と主張したが、「供給力の強化」の内容に比べ「国民への還元」への言及部分は少なかった。「還元」というワードはちりばめられているものの、「還元措置の具体化」は「近く政府与党政策懇談会を開催し、与党の税制調査会における早急な検討を、指示します」という「検討指示」に触れるにとどまった。野党からは「先週指示しただろう」「先送りじゃないか」などのヤジが飛んだ。
また、20日に与党に期限付きの所得税減税の検討を指示したが、「減税」ワードには触れなかった。「現世代の国民の努力によってもたらされた成長による税収の増収分の一部を公正かつ適正に『還元』し、物価高による国民のご負担を緩和いたします」と述べた。【中山知子】

