10月31日のハロウィーン直前の週末を迎え、東京都渋谷区は28日朝、期間中多くの人が集まることで知られる渋谷駅前のハチ公像の周囲を白い幕で覆い、封鎖した。
危機感を強めた同区が安全対策のため、待ち合わせの名所で観光客の人気も高い街のシンボルに対し異例の措置に踏み切った。この日は仮装姿の人は比較的少なかったが激しい混雑となる時間帯もあり、スクランブル交差点を中心に厳重な警戒態勢が敷かれた。
新型コロナが5類に移行して初めてのハロウィーン。外国人観光客も戻りつつあり、今回の渋谷の人出は過去のピーク時を上回るともみられている。これまで路上飲酒、トラブル、大量のゴミ放置などが社会問題になってきたが、雑踏事故などの危険性も含めて危機感を一層募らせた渋谷区は9月以降「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」など、この期間に来訪しないよう強く呼びかけてきた。
ハチ公も見ることも近づくこともできなくしたが、秋晴れの週末だけに買い物客や外国人らが午前中から大勢繰り出し、スクランブル交差点周辺は一時歩きづらいほどの混雑に。警察は午後から交差点やセンター街を中心に、多数の車両や警察官を動員。午後4時からは通行規制や誘導なども始め、DJポリスが「本日は大勢の方で大変混み合っています」「交差点で立ち止まらないでください」などと懸命に呼びかけ続けるなど、緊張した空気に包まれた。午後5時にはJRのハチ公口改札もシャッターが下ろされ、一時閉鎖された。しかし、夜になると徐々に人出も少なくなった。
シートの合間からハチ公像を見ようとしていた米国人男性は「残念だけど、スクランブル交差点とか楽しむよ」。買い物に来た女性会社員は「ハチ公を見えなくしても、人は集まるのでは」と苦笑いした。ハチ公の封鎖は11月1日朝まで。

