プロ野球・阪神タイガースの38年ぶりの日本一が決まった瞬間、大阪の繁華街でもファンが喜びを爆発させた。5日夜、大阪・ミナミの道頓堀川に架かる戎橋を埋め尽くしたファンからの「あと1球」コールは、阪神が勝利を決めると、「おっ~」と地鳴りのような大歓声に変わった。

トラの法被を着た大学生は「この瞬間を待っていた!」と絶叫。7戦に及ぶ激闘の末に手にした日本シリーズ制覇。戎橋一帯ではハイタッチが繰り返され、多くの人が盛り上がりぶりを撮影しようとスマートフォンを掲げた。

戎橋の下にある遊歩道は「道頓堀ダイブ」を見ようと、人であふれ返った。過去の優勝時に5000人以上が道頓堀川に飛び込んだ戎橋では、警察官が飛び込む人がないよう欄干に沿って整列。通行規制も実施した。戎橋には「DJポリス」を5カ所に配置。「道頓堀川へ飛び込むと、命の危険につながります。水温も低くなっています。すぐに救助することができません」と必死に呼びかけた。

だが、日本一を決めると、歓喜のあまり、警備が手薄な道頓堀川沿いの遊歩道から「プチ・道頓堀ダイブ」を決行する人も。トラの法被を着た若い男性が勢いよく飛び込むと、次々と「日本一ダイブ」を決めた。紺の水着姿の女性も約1メートル下の道頓堀川へ“プチ・ダイブ”した。戎橋の隣にある太左衛門橋から約6メートル下の道頓堀川へダイブする人も。午後11時、十数人がダイブしたとみられる。

大阪府枚方市の会社員山下伸也さん(34)は「生まれて初めて、阪神の日本一を見ることができた。もう何も言えねえ~」と涙声で話した。

戎橋には続々と人が集まった。戎橋南側の「かに道楽」道頓堀本店前では「六甲おろし」の大合唱。深夜になっても歓喜が続いた。【松浦隆司】