田中真紀子元外相(79)が8日、東京・永田町の国会内で講演し、「政治とカネ」の問題解消や政治改革について与野党各党に提言する考えを明かした。講演では、東京五輪招致をめぐる馳浩・石川県知事の発言で問題になった内閣官房機密費や、「モチ代」「氷代」と呼ばれる派閥からの支給手当など、かつて見聞きした永田町の「おカネ」をめぐる生々しい経験談を、証言する場面もあった。

「11年ぶりに永田町の土を踏みました。空気は相変わらずよどんでいるし、きな臭い」と、最初からパンチを繰り出した真紀子氏。この日、自民党安倍派の松野博一官房長官に、自民党派閥パーティー収入をめぐる「裏金」疑惑が浮上するタイミング。真紀子氏は、提言の発表と重なったのは「偶然。たまたま、バッチリぶつかった」と述べた。

村山富市政権時代、自身が閣僚(科技庁長官)として海外に行く際「機密費からと思いましたけど、100万ずつ、白い封筒で(村山氏から)いただきましたが、私は返しました」と明かした。「私は公費で、大臣としてファーストクラスで、勉強させてもらいに国際会議に行くのに、なんでそんなものをもらわないといけないのかと。『おみやげ代』といわれましたが」とも述べた。

一方、おみやげに私費でチョコレートを購入し、ある自民党の首相経験者に渡すと「真紀ちゃん、チョコありがとう」と言われたものの「札束がぎっしり入っているかと思った」と声をかけられたとも明かした。

現在いる衆参国会議員に、月額100万円が支給される領収書のいらない「調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費=旧文通費)」に触れ「私の時は、月20万円だったこともある。今は100万円。(国会議員は)129万4000円の歳費と合わせ約230万円もらっている」と指摘。また、派閥から夏と冬に配られる「氷代」「モチ代」にも言及。「幹事長が『田中真紀子君、はい』とくれる。封筒をばんとおいて『おれがもらっておくよ』と言われ『は?』と返した(こともある)」と振り返った。

「旧文通費や歳費のほかに、国会議員はお金をいっぱいもらっている」としながらも、今の国会議員には「(もらうだけの)発信力がない。命がけの人がいない」と苦言を呈した。「機密費の使い方、外務省報償費の使い方…全部税金なんです。一般の国民はそんな使い方をしていない。なぜ改革しないのかという思いが強い」とも述べた。

真紀子氏は、夫の田中直紀元防衛相(83)らと今後、提言をまとめて各党に提出すると述べた。「1年がかりで勉強会をやってきた。空砲、打ち上げ花火にするつもりはない。必ずまとめて公表します」と話した。【中山知子】