今年4月の区長選をめぐる公選法違反事件で木村弥生前区長が辞職したのに伴う出直し東京都江東区長選は10日、投開票され、無所属新人で、元東京都政策担当部長の大久保朋果氏(52=自民、公明、国民民主、都民ファーストの会各党推薦)が、ほかの無所属新人4人をやぶり初当選した。

大久保氏は小池百合子都知事の特別秘書の秘書を務めるなど小池氏に近く、小池氏が擁立を主導した。小池氏は告示後、何度も応援に入り、支持を訴えた。

一方、大久保氏には、今年9月以降、立川市長選など東京都内の選挙で3連敗している自民党も、公明党とともに「相乗り」する形に。派閥パーティーをめぐる政治資金問題で国民の厳しい視線が向けられる中、「相乗り」したことで敗北は避けられた形となったが、公明党との選挙協力体制の完全修復には至っていない。今後も都内で首長選挙が予定され、いずれは衆院選も行われることになるが、今回の政治資金問題も重なり、自民党は引き続き厳しい戦いを迫られそうだ。

区長選には大久保氏のほかに、前江東区議の三戸安弥氏(34=自由を守る会推薦)、元国税庁職員の猪野隆氏(58)、医療法人理事長の小暮裕之氏(44=日本維新の会推薦)、前江東区議の酒井菜摘氏(37=立民、共産、れいわ、社民各党など支持)が立候補した。

区長選では、公選法違反事件で前職が辞職したことを踏まえ、クリーンさのほか、混乱が続く区政の立て直しなどが争点になった。

一方、投票率は39・20%で過去最低だった。木村前区長が初当選した今年4月の区長選は、48・86%だった。