れいわ新選組の山本太郎代表は17日、国会内で会見し、2度にわたり能登半島地震の被災地に視察に出向いたことに批判が出ていることに言及した。

山本氏は今月5~6日と11~12日の2度、能登町や珠洲市などを回り、現地で実態把握をして回った。岸田文雄首相は、自身の視察後の14日に現地を訪れたが「発生翌日に空から視察することも可能だった」とした上で「(これまでに日本で起きた)さまざまなひどい災害の中でもトップクラスだという意識を持たなかったから、官僚からの報告を受けるということだけを続けたのだと思う。NPO団体から聞き取りすると、国が楽観する状況ではない」と、現地入りの遅さに疑問を呈した。

首相の現地入りそのものについては「入っていただいて良かったと思う。自分の目で見て感じて、どんな財政措置が必要か考えることは必要」と指摘。首相の視察が「駆け足だった」と指摘されることについては「私自身が駆け足の視察。2度の1泊2日でしか行っておらず、その間に会える人や聞ける声は限られる。駆け足の視察というのは私のことを言います。総理はのぞきをしに行ったということです」と、皮肉るように述べた。

れいわは会見に先立ち、山本氏の視察を通じて感じたという課題をまとめた能登半島地震の復興に向けた岸田首相あての「れいわビジョン」を、内閣官房に提出した。復興まで被災者の負担を伴わない形の広域避難を政府が主導することや仮設住宅の爆速での建設のほか、大阪万博などの「不要不急な事業の中止」も求めている。

山本氏は「いちばんの大きな問題は、いつまでも大きな方針が見えず、ゴールが見えないことで現場が疲弊し続けていることだ。こんなにしんどい災害は初めてというのが大きな声だ」と訴えた。「現場をパンクさせているのは国だ。国がどう行動すべきかが一切示されていないことへの提言だ」とも述べた。