藤井聡太名人(竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が29日、将棋の第82期A級順位戦最終9回戦一斉対局(静岡市「浮月楼」)の大盤解説会に登場した。

対局場とは別の静岡市内の解説会場で、午後3時、午後5時に次いで三たび出番が回ってきた。藤井と同じ愛知県出身の聞き手、脇田菜々子女流初段(26)に進行で、それぞれの対局のポイントを分かりやすく伝えていた。

永瀬拓矢九段(31)対中村太地八段(35)は、「うまく後手(中村)玉に逃げられないよう、効率よく攻めていく局面。中村八段の工夫の受けがあると思います。すぐには分からないので、指し手の注目します」と、うまくかわした。

後手の佐藤天彦九段(36)の三間飛車から相穴熊となった、稲葉陽八段(35)対佐藤戦は、途中で稲葉が7種穴熊という珍しい形になった。一瞬だが、歩、香、桂、銀、金、角、飛のすべての駒で玉を囲った。「なかなか先が見えない戦いが続いています。押したり引いたりという攻防。終盤になったかと思うとお互いに駒を埋め合って中盤に戻ることもあるので、いつ終わるか分からない」と話した。

渡辺明九段(39)対広瀬章人九段(37)は、「後手(広瀬)の攻めが切れないように、急所を突いてうまく攻めている」。斎藤慎太郎八段(30)対佐々木勇気八段(29)については「後手(佐々木)がうまくしのいだという印象。先手は拠点を解消するには至っていません」。菅井竜也八段(31)対豊島将之九段(33)は「濃密な攻防が続いている。両者、技を出し合ってお互い崩れない感じです」と、目まぐるしく変わる5局の局面をとらえていた。