俳優松尾貴史(63)が19日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、自民党が派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて、安倍、二階両派の議員80人あまりへの一斉処分に踏み切る方針で調整に入ったと一部で報じられたことを受け、岸田文雄首相への強烈な皮肉を突きつけた。

共同通信は18日、自民党が裏金議員への処分を4月上旬にも行う方向と報道。一方で、党則で定められる8つの処分のうち、最も重い「除名」と、その次の「離党勧告」は見送ると報じた。

松尾は、一斉処分に関する同記事を引用した上で「と言うから、どんな『処分』かと思いきや、党が定める処分で最も重い『除名』と、それに次ぐ『離党勧告』は見送る、と」と指摘した上で「あははは、見送れ見送れ!その方が自民党崩壊を確実にできるよ。岸田文雄君、えらいぞ!」と投稿。国民にとっては、除名や離党勧告もできない内容は、及び腰とも受け取れる「大甘処分」と映ることを念頭に、岸田首相の判断を、暗に批判した。

自民党の党規約には、処分について重い順から「除名」「離党の勧告」「党員資格の停止」「選挙における非公認」「国会および政府の役職の辞任勧告」「党の役職停止」「戒告」「党則の順守勧告」となっている。

岸田首相は17日の自民党大会で、裏金問題が指摘されている所属議員に対する党としての処分を、茂木敏充幹事長に指示したことを表明。処分の内容については「記載の金額や程度、役職などの議員歴、説明責任の果たし方などを総合的に勘案し、党紀委員会の議論をへて、厳しく対応していく」と述べ、裏金問題を受けた対応や説明責任の内容を吟味した上で、厳正に対応する考えを示していた。