昨年4月の埼玉県議選で初当選した日本維新の会の中村美香氏(37)が、埼玉県選挙管理委員会による当選無効の決定取り消しを求めていた訴訟をめぐり、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は、中村氏の上告を退ける決定をした。決定は15日付。

これを受け、中村氏は19日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、決定に対するコメントを投稿した。

「昨年の統一地方選挙を経て、埼玉県議会議員をつとめさせていただいておりましたが、最高裁判所により当選無効の判決がくだりました。県民の皆様に多大なご迷惑をおかけし、大切な一票を私に投じてくださった有権者の皆様の信頼を裏切るカタチとなり、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と投稿。今回の事態を招いたことについて、続く投稿で「県議会議員の被選挙権である3か月以上の住所要件は、同一“市町村"ではなく、同一"県内”であると誤った認識をし、選挙公示の約2か月前に、埼玉県三郷市から埼玉県草加市に居所および住民票をうつしたことが要因です」とポスト。「移動前の三郷市の実家には3か月以上の居住実態がありました」とした上で「suicaやGPS、決済履歴等の各種証拠と共に裁判にて主張してまいりましたが、残念ながら認められませんでした」と釈明し「今後、まずは真摯に、有権者の皆様に謝罪をしていきたいと思います」ともつづった。

公選法では「都道府県内の同じ市町村で3カ月以上の居住実態があること」が、都道府県議選の出馬要件とされている。

中村氏は昨年4月の埼玉県議選で、草加市選挙区から出馬し当選したが、県選管が7月に当選無効を決定し、中村氏は8月に東京高裁に提訴したが棄却され、その後上告していた。

中村氏は、双子の妹、中村梨香氏とともに姉妹で「フリー素材アイドル」として活動。昨年4月の埼玉県議選に姉妹で立候補し、中村氏は当選、妹は落選した。

中村氏はXに、維新の埼玉県総支部の声明も投稿。埼玉維新は「党支部としても誠に遺憾です」とした上で、中村氏の今後について「本決定の結果を踏まえて検討していきたい旨、謝罪とともに本人から受けております。皆様の信頼を損ねご迷惑をかけたことに、当支部としても重ねてお詫び申し上げます」としている。