「106億円を熔かした男」こと、大王製紙の社長と会長を務め、カジノに自社の資金をつぎ込んで実刑判決を受けた井川意高(もとたか)氏(59)が21日、自身のYouTubeを更新。ドジャース大谷翔平投手(29)の通訳を務めた水原一平氏(39)が、違法賭博への借金返済として大谷の口座から少なくとも450万ドル(約6億7500万円)を送金した疑惑で解雇となったことを受け、自身を「反面教師」に大谷へのアドバイスを送った。

水原氏の解雇については「最も長く時間を過ごす相手だった。あの大谷選手の爽やかな笑顔も見ていると、情も移っていると思います」と残念がった。一方で、「最近結婚されましたけど、支えてくれる方ができたのが、少し救いです」と新妻・真美子さん(27)の存在を喜んだ。

今後のアドバイスとしては「私の人生経験から言うと『好事魔多し』。いいことが続くと落とし穴がある。大谷選手は謙虚な方ですし、野球一筋に無菌状態で打ち込んできた。これから先は、名声もお金も持っている人の周りには悪い連中が集まってくる可能性も高いというより、絶対に寄ってくるに決まっている」と断言。「そういった人間を見分ける力、危険回避能力、人生のデッドボールを避ける選球眼を身につけるきっかけになればいいんじゃないかなと思います」と力説した。

最後に「私自身のしょうもない人生を振り返ってもですね、いいことも悪いことも順番にきますし、悪いことがあったら次の糧にしていくことが大事です。私も某大企業の社長、会長から前科者になり、いつの間にかユーチューバーになっている。人生何があるか分かりません。大谷選手にはこれからもずっと最高の野球プレーヤーでいていただきたい。今回のトラブルを無事切り抜けていただけたいと思います」と、人生の先輩として熱いエールを送った。

井川氏は大王製紙の創業家に生まれ、筑波大付属駒場中高から東大法学部に進み、大王製紙に入社。42歳で5代目社長に就任も会長時代の10~11年、カジノでの使用目的で子会社7社から総額106億8000万円を借り入れていた事実が発覚。会社法違反(特別背任)の容疑で逮捕され、12年に懲役4年の実刑判決により、16年12月まで服役した。出所後に書いた著書「熔ける 大王製紙会長 井川意高の懺悔録」が計15万部のベストセラーになり、現在は登録人数20万人超のユーチューバーとしても活動している。