「106億円を熔かした男」こと、大王製紙の会長時代にカジノに自社資金をつぎ込んで実刑判決を受けた井川意高(もとたか)氏(59)が22日、自身のYouTubeを更新。カジノで5000万ドル(約75億円)の負債を抱えていると報じられた米人気歌手ブルーノ・マーズ(38)に「75億円ごときで諦めてるんじゃ甘いぞ!」と叱咤(しった)激励とともに、大負けの背景を分析した。

井川氏がニュースを最初に聞いたときの感想は「まだまだだな」とやや不満そうで、「私は106億8000万円。75億ならもう一息。もうちょっと負けて頑張ってほしい」とマーズをいじりながら、「これについては少し疑問相手はがある」と首をひねった。

井川氏が驚いたのは、マーズの負けの大半がポーカーだったこと。「私はバカラで106億8000万円をすった。本当はもっと多いですが」と苦笑いしながら、「バカラは客とハウス(カジノ業者)の勝負。カジノはものすごいお金を持っているから(勝負を)受けられる」と自らの経験から、大金が動きやすいバカラを解説。一方、ポーカーは客対客の勝負になるため、「マーズがここまで負けを積み重ねるほど、資金力のあるプレーヤーがいたということ。なかなか不思議な話ですが、アラブの王族でも相手にしたのか」と話した。

マーズは2016年からカジノなどを運営するMGMと長期契約を結ぶ。一方で、ラスベガスのMGMグランド・カジノでのギャンブルで多額の負債を抱えており、MGMがマーズを基本的に所有している状態だと報じられた。これに対し、MGM側はギャンブルによる負債があるとのうわさを否定していた。

井川氏は大王製紙の創業家に生まれ、筑波大付属駒場中高から東大法学部に進み、大王製紙に入社。42歳で5代目社長に就任も会長時代の10~11年、カジノでの使用目的で子会社7社から総額106億8000万円を借り入れていた事実が発覚。会社法違反(特別背任)の容疑で逮捕され、12年に懲役4年の実刑判決により、16年12月まで服役した。出所後に書いた著書「熔ける 大王製紙会長 井川意高の懺悔録」が計15万部のベストセラーになり、現在は登録者20万人超の人気ユーチューバーとして活動している。