TBSの元アナウンサー、久保田智子氏(47)が1日、兵庫県姫路市の教育長に就任した。3月末で同局を退社。任期は3年。

姫路市役所で行われた就任式で久保田氏は「私にも不安があります。それでも、教育長という大役をお受けしたのは、1つだけ必ずやろうと決めていることがあるからです。子どものためになることなら、自分ができることがあるなら、やろうという気持ちです」と決意を語った。

久保田氏は広島県出身。00年にTBSに入社し、アナウンサーとして「どうぶつ奇想天外!」「筑紫哲也のNEWS23」などに出演。15年に日本テレビの政治部記者と結婚し、夫の赴任地の米国に渡るため16年3月に退社した。

20年にTBSに復職し、報道記者として活躍。姫路女学院中学・高校で非常勤講師を務め、姫路の教員現場を見てきた。

私生活では19年に特別養子縁組で女の子の新生児を迎えたことで「私の人生観は大きく変わった」と話した。身近な家族が不登校になったことも打ち明け「親と学校がパートナーになることで子どもを救うことができると思った」と話した。

就任式後、多くの報道陣に囲まれ、取材に応じた久保田氏は「こちら側に立つとは…」と取材を受ける側に回ったことに戸惑いを見せながらも笑顔。保育園に通う娘とともに姫路市に住みながら、教育改革に取り組む。市立高校の再編問題など課題も多いが「24時間しかないのが、足りるのかなぐらい課題もある。できる限り、スピードアップしたい」と意気込んだ。

就任式に出席した清元秀泰市長は「教育や子育ての分野に精通し、豊富な知識や経験をもとに市の教育行政の発展に大いに力を発揮していただきたい」と期待を寄せた。