元格闘家の須藤元気参院議員(46=無所属)は3日、国会内で会見し、衆院東京15区補選(4月16日告示、28日投開票)に無所属で出馬する考えを表明した。須藤氏は同区の地盤、東京都江東区出身。同補選は昨年の江東区長選をめぐり公選法違反事件で柿沢未途氏(自民党を離党)が辞職したことに伴うものだ。

須藤氏は2019年参院選比例代表に立憲民主党から出馬し、初当選。2020年都知事選で、消費税減税や経済政策に共感したれいわ新選組の山本太郎代表を応援したことを党に注意され、その後離党。現在は無所属で活動している。

須藤氏は「こどものころ社会的閉塞(へいそく)感に悩み、変えるには政治家になるしかないと思った。金も地盤もなく、名前をあげようと格闘家になることを選び、それなりに名前を残せた。引退後に政治を学んで政治家になった」とこれまでを振り返りながら、現在の日本政治について「政党政治の限界を感じている。参院議員の任期があと1年ちょい、あり、このまままっとうする選択肢もあるが、私は選択しない。ここで勝負して勝利することで政治の枠組みを変える大きなきっかけになればいい」と述べた。

親交がある山本氏に無所属での東京15区補選出馬を報告した際には「勝負するんですか」と声をかけられたという。れいわからの支援については「応援いただくことは、ありがたい」と語った。

須藤氏はまた「無所属で参院議員をやってきたが、力を発揮できていないのは自分でも感じている。政党政治なので無所属の限界は感じていた」とした上で「人生では桶狭間の戦いをどこかでやらないと、政治家として成長しない。損得抜きに勝負をすることで、政治家としての成長していくことを信じている」「勝てる計算があって勝負する」と強調した。選挙戦では持論の消費税減税や格差解消などを訴える方針。

同補選には作家の乙武洋匡氏(47)のほか、立憲民主党が元江東区議の酒井菜摘氏(37)を擁立する方針を固め、すでに小堤東氏(34)の擁立を発表している共産党との間で一本化を目指す構え。日本維新の会の金沢結衣氏、参政党の吉川里奈氏、日本保守党の飯山陽氏、自民党を離党した無所属の秋元司氏も立候補を表明し、候補者乱立で激戦になるとみられている。

須藤氏は「後ろ盾はなく、お金も人も足りないが、仲間もおりコミュニティーを固めて広げていきたい。(候補者が)乱立した方がおもしろい戦いができる。まわりにとらわれず、ベストを尽くして戦うことが勝利につながると信じている」とも訴えた。