徳島県が17年7月に開いた阿波藍の魅力を発信するイベントで、成人用玩具「ラブドール」の等身大人形に衣装を着せて展示した問題に関連し、不適切な会計処理で県の信用を失墜させたなどとして、徳島県は8日に林業振興課の男性係長(46)を懲戒免職処分を発表。SNS上では「なぜ、ラブドールと分かったのか?」「ラブドールはどこへ」と“心配”する声もある。

日刊スポーツの取材に応じた県によると、発覚の経緯は昨年10月、地元紙の報道からだったという。係長が県観光政策課に在籍していた17年、徳島阿波おどり空港で開いた「阿波藍魅力発信事業」で、ラブドール1体を上司に無断で業者に購入させ、藍染めの衣装を着せて空港ロビーに展示した。「リアルな人形を使用した展示が主流になっている」といった記事をインターネットで見つけた係長は、イベントの委託業者とともに大阪のショールームを訪れ、業者が購入したという。

昨年11月には徳島県議が、不当な経費支出で県に損害を与えたとして、人形の調達に関わった県職員から損害額を返還させるよう県に求める住民監査請求を県監査委員に行った。

今年1月の監査結果では、県の損害額を約41万円と算定し、担当職員や上司に賠償させることを検討するよう、後藤田正純知事に勧告していた。

ラブドールは昨年10月の時点で、県が使用している小松島市内で倉庫で確認した。現在も県が保管しているという。

“所有”を巡っては、委託業者と県に主張の食い違いがあるという。県は購入した委託業者から「レンタル」という形だとするが、委託業者の見解は違う。

公共事業としての倫理性に欠ける観点の他にも、県は「不適切な会計処理での人形となるので、今後、活用することはできない。委託業者とも話し合い、処分することになる」としている。渦中の「ラブドール」はどこへ?