国民民主党から衆院東京15区補選(4月16日告示、28日投開票)の公認内定を取り消された元フリーアナウンサー高橋茉莉氏(27)が9日、X(旧ツイッター)を更新。作家の乙武洋匡氏(48)が同補選に、無所属で出馬することを正式に表明したことについて言及した。

「乙武さん! 高橋茉莉です。心から応援しております!」と切り出し「大変な選挙区だと思いますが、心身の健康を第一に、無理しすぎずファイトです!」とつづった。さらに「私の政治への思いも、乙武さんに託したいと思います!!!」とエールを送った。

高橋氏は2月25日、Xで「党から『立候補を断念しろ』と言われ、涙をのんで引き下がることに致しました。理由は、ラウンジで働いていた過去があるからです」と記したが、同党の玉木雄一郎代表はXを通じて、高橋氏について「法令に抵触するおそれのある事実が明らかになりました」とした上で「国民民主党はラウンジ等に勤務していたことで出馬辞退を求めるようなことはありません」と反論。異例の泥仕合となっていた。

高橋氏は東京都出身で、16年ミス慶応ファイナリスト、ミス日本東地区代表の経験もある。大学時代から約3年間、フリーアナとして活動し、外資系ITコンサル企業にも勤務。出馬会見では「私の人生は父親の倒産に始まり、現在も1000万近い奨学金(返済)を背負いながら、79歳の両親の面倒を見ている」とした上で、「生きるために、お金に困らない、安心して暮らせる社会を実現したい」と述べていた。

乙武氏は8日の会見で、「現段階ではどこの政党にも支援をお願いしていない」と述べた。乙武氏には、小池百合子東京都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が国政進出へ向け設立した「ファーストの会」が、出馬を打診していた。ファーストの会が推薦する方向で、政治資金パーティー裏金事件を受けて独自候補の擁立を断念した自民党も、推薦する方向で調整。同補選は、昨年の江東区長選をめぐる公選法違反事件で柿沢未途氏(自民党離党)が辞職したのに伴い行われる。同補選には、日本維新の会の金沢結衣氏(33)、参政党の吉川里奈氏(36)、日本保守党の飯山陽氏(48)、無所属の秋元司氏(52)、参院議員で無所属の須藤元気氏(46)、つばさの党の根本良輔氏(29)も立候補を表明している。