「106億円を熔かした男」こと、大王製紙の会長時代にカジノに自社資金をつぎ込んで実刑判決を受けた井川意高(もとたか)氏(59)が12日、X(旧ツイッター)を更新。ドジャース大谷翔平投手(29)の元通訳・水原一平容疑者(39)が違法ブックメーカーへ大谷の口座から総額1600万ドル(約24億円)以上を送金していたと判明した問題に言及した。

ESPNによると、水原容疑者は違法スポーツ賭博での借金返済のため、大谷の口座から2年間で1600万ドル(約24億円)以上を不正に送金。また、ブックメーカーとのやりとりのメール履歴によれば、水原容疑者は1日平均25回で合計1万9000回ほど、1回あたり10ドル(約1500円)から16万ドル(2400万円)を賭け、勝ち額は総額1億4200万ドル(約213億円)、負け額は総額1億8300万ドル(約275億円)で、収支はマイナス4067万8436ドル(約61億円)だったという。

井川氏はこうした報道を受け、自身と重ね合わせて「お! オレの半分超えたな! なかなかやるじゃないか! 一平さん!」と投稿。また、大谷の“潔白”を報じた記事を貼り付け「身の潔白が認められてよかったね」とつづった。

井川氏は水原容疑者の違法賭博問題が報じられた当初、自身のYouTubeチャンネルで、同容疑者が「違法とは思わなかった」と証言したことについて「水原さん、それはありえないですよね。自分でやっておいて、ちょっと通用しないと思います」と冷ややかな目を向けつつ、大谷に「名声もお金も持っている人の周りには悪い連中が集まってくる可能性も高いというより、絶対に寄ってくるに決まっている。そういった人間を見分ける力、危険回避能力、人生のデッドボールを避ける選球眼を身につけるきっかけになればいいんじゃないかなと思います」とエールを送っていた。また、米人気歌手ブルーノ・マーズがカジノで5000万ドル(約75億円)の負債を抱えていると報じられた際には「75億円ごときで諦めてるんじゃ甘いぞ!」と叱咤(しった)激励するとともに、「私は106億8000万円。75億ならもう一息。もうちょっと負けて頑張ってほしい」とマーズをいじりながら、大負けの背景を分析していた。

井川氏は大王製紙の創業家に生まれ、筑波大付属駒場中高から東大法学部に進み、大王製紙に入社。42歳で5代目社長に就任も会長時代の10~11年、カジノでの使用目的で子会社7社から総額106億8000万円を借り入れていた事実が発覚。会社法違反(特別背任)の容疑で逮捕され、12年に懲役4年の実刑判決により、16年12月まで服役した。出所後に書いた著書「熔ける 大王製紙会長 井川意高の懺悔録」が計15万部のベストセラーになり、現在は登録者20万人超の人気ユーチューバーとして活動している。